糖尿病の初期症状は?セルフチェックと血糖値・HbA1cの基準

意識がもうろうとして呼びかけに反応しない、強い息苦しさや異常に速く深い呼吸がある場合は、すぐに119番通報してください。クリニックの予約や健診を待たないでください。
強い喉の渇き・多尿・急な体重減少に、吐き気・嘔吐・腹痛・強いだるさが加わった場合も、糖尿病性ケトアシドーシスなどの急性合併症の可能性があります。様子を見ず、救急対応が可能な医療機関へ速やかに相談・受診してください。糖尿病と診断されたことがない方にも起こり得ます。
「最近よく喉が渇く」「トイレが近くなった」「体重が減ってきた」——こうした変化から、糖尿病ではないかと気になって検索された方も多いと思います。
一方で、糖尿病は初期に症状がないことも多く、症状の有無だけで判断することはできません。健康診断で血糖値やHbA1cの異常を指摘されて、はじめて分かる方も少なくありません。
この記事では、気になる変化を確認するためのセルフチェック表、検査でわかる数値の基準、予備軍と言われる段階、女性や若い世代で注意したい点、受診と検査の流れを解説します。
朝霞市・東武東上線「志木駅」近くの「志木新成メディカルクリニック」では、健康診断や、一般内科や糖尿病内科の診療を行っています。
志木新成メディカルクリニックは、朝霞市にあり、東武東上線「志木駅」から徒歩4分、駐車場も完備。
朝霞市・新座市・志木市などの近隣からだけでなく、電車でも車でも通いやすいクリニックです。
糖尿病は初期症状に気づきにくい病気です
糖尿病は血糖値が持続的に高くなることで全身のさまざまな臓器に負担をかける病気ですが、初期の段階ではほとんど症状が出ないことも珍しくありません。
健康診断ではじめて異常を指摘される方も多く、診療の現場では「少し疲れやすいだけだと思っていた」「年齢のせいだと考えていた」という相談を頻繁に耳にします。糖尿病は気づかないまま進行すると、網膜症、腎症、神経障害といった合併症に結びつく可能性があります。
そのため、早い段階で体からの小さなサインに注意を向けることがとても大切です。
糖尿病とはどんな病気?
糖尿病は、インスリンというホルモンの作用が十分でないために、血液中のブドウ糖(血糖)が高い状態が続く病気です。
本来、食事でとった糖はインスリンの働きによって細胞に取り込まれ、エネルギーとして利用されます。インスリンの分泌が不足したり、効きが悪くなったりすると、糖が血液中に残り、血糖値が高い状態が続きます。
高血糖の状態が続くと、網膜症・腎症・神経障害といった合併症や、心筋梗塞・脳梗塞などの動脈硬化性疾患のリスクが高まります。これらは自覚症状が乏しいまま進むことがあるため、早い段階で状態を把握することが大切です。

糖尿病には、インスリンを作る細胞が壊れて分泌がほとんどなくなる1型と、インスリンの分泌低下や効きにくさが関わる2型などがあります。日本人では2型が多くを占めますが、1型は年齢を問わず発症します。
糖尿病の初期症状セルフチェック表
糖尿病が気になるときに確認したい症状や体調の変化を整理しました。高血糖が進んだときや合併症に関連する変化、糖尿病以外でもよくみられる症状も含みます。すべてが初期に現れるわけではなく、この表だけで糖尿病の有無を判断することはできません。
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| 喉の渇きが強い | 以前より水分をとる量が増えた、強い渇きが続く |
| 尿の量・回数が増えた | 尿の量が増えた、夜間に何度も起きるようになった |
| 尿のにおい・泡立ちが変わった | においや泡立ちの変化が続いていると感じる |
| 理由なく体重が減った | 食事量は変わらないのに体重が減っている |
| 疲れやすい・だるさが続く | 休んでも疲れが取れない状態が続く |
| 皮膚のかゆみ・乾燥が続く | 保湿しても治りにくい、湿疹が長引く |
| 傷が治りにくい | 小さな傷でも治るまでに時間がかかる |
| 感染症を繰り返す | 皮膚の感染症、膀胱炎などを繰り返している |
| 視界がかすむ | 見え方の変化がある、かすむことが増えた |
| 食後の強い眠気が続く | 生活に支障が出るほどの眠気が続いている |
セルフチェックの見方
当てはまる項目数で、糖尿病の有無や重症度を判定することはできません。一つでも強い症状や続く変化がある場合は、医療機関へ相談してください。特に、強い喉の渇き、尿の量の増加、理由のない体重減少がある場合は早めの受診が必要です。
当てはまる項目がなくても糖尿病のことがあります。健診で「要精査」「要医療」などの指摘を受けた場合は、症状がなくても結果を持参して受診してください。
検査でわかる数値の基準
症状だけで糖尿病かどうかを判断することはできません。診断には血液検査が必要です。健診結果を見るときの参考として、数値の意味を整理します。
糖尿病型と判定される値
日本糖尿病学会の診断基準では、次のいずれかに当てはまる場合を「糖尿病型」と判定します。
| 検査項目 | 糖尿病型と判定される値 |
|---|---|
| 空腹時血糖値 | 126 mg/dL 以上 |
| 随時血糖値 | 200 mg/dL 以上 |
| 75gOGTT 2時間値 | 200 mg/dL 以上 |
| HbA1c(NGSP値) | 6.5% 以上 |
75gOGTTは、決められた量のブドウ糖を飲み、血糖値の変化を調べる検査です。通常の食事後に測定した血糖値を、75gOGTTの2時間値として扱うことはできません。妊娠糖尿病には別の診断基準があるため、妊娠中の方は産科の主治医にご相談ください。
「糖尿病型」と「糖尿病の診断」は同じではありません
糖尿病型に該当しても、それだけで診断が確定するとは限りません。診断の考え方は次のとおりです。
同じ採血で血糖値とHbA1cがともに糖尿病型であった場合は、1回の検査で糖尿病と診断されます。また、血糖値が糖尿病型で、かつ口渇・多飲・多尿・体重減少といった典型的な症状や確実な糖尿病網膜症がある場合も、1回で診断されます。
それ以外では、別の日に再検査を行い、あらためて判断します。HbA1cだけが繰り返し糖尿病型であっても、それだけでは糖尿病と診断できません。血糖値の検査が必要です。
健康診断で使われる判定値
特定健診では、診断基準とは別に次の判定値が使われています。
| 検査項目 | 保健指導判定値 | 受診勧奨判定値 |
|---|---|---|
| 空腹時血糖値 | 100 mg/dL 以上 | 126 mg/dL 以上 |
| HbA1c(NGSP値) | 5.6% 以上 | 6.5% 以上 |
保健指導判定値は生活習慣の見直しを検討する水準、受診勧奨判定値は医療機関で詳しく調べることが望ましい水準です。これらの判定値に該当することと、糖尿病や境界型と診断されることは同じではありません。健診結果の記載に沿って、医療機関で確認してください。
糖尿病予備軍・境界型とは
「糖尿病予備軍」は、将来の糖尿病リスクが高い状態を説明するときに使われる言葉です。医学的な判定区分である「境界型」と、すべての場合で同じ意味になるわけではありません。
正常型・境界型・糖尿病型は、空腹時血糖値と75gOGTTの2時間値を組み合わせて判定します。「予備軍」と説明された場合は、どの検査結果に基づく説明なのかを確認してください。
| 判定区分 | 空腹時血糖値と75gOGTTの2時間値 |
|---|---|
| 正常型 | 空腹時110mg/dL未満、かつ2時間値140mg/dL未満 |
| 糖尿病型 | 空腹時126mg/dL以上、または2時間値200mg/dL以上 |
| 境界型 | 正常型にも糖尿病型にも該当しない場合 |
空腹時血糖値が110mg/dL未満でも、75gOGTTの結果によっては境界型や糖尿病型になります。HbA1c5.6〜6.4%だけで境界型とは判定しません。
予備軍の段階では症状がほとんどありません
境界型の段階では、自覚症状はほとんどないことが一般的です。そのため「まだ糖尿病ではない」と受け止められやすい状態でもあります。
境界型は、2型糖尿病へ進行するリスクが高い状態として知られています。食事・運動などの生活習慣の改善によって、進行のリスクを下げられる可能性があります。具体的に何をどう変えるとよいかは、体格・持病・生活状況によって異なるため、どの検査結果からそう説明されたのかを確認したうえで相談してください。
気になる変化を一つずつ解説
喉の渇きが強い
血糖値が高い状態が続くと、尿に糖が多く含まれるようになり、水分も一緒に失われやすくなります。体の水分が不足すると喉の渇きを感じ、飲む量が増えることがあります。
喉の渇きは、脱水、薬の影響、腎臓や甲状腺の病気、口の乾燥などでも起こります。渇きだけで糖尿病とは判断できません。
急に飲む量が増えた、強い渇きが続く、尿量の増加や体重減少もある場合は早めに受診してください。飲んでいる量が一定の数字に達するまで待つ必要はありません。
尿の量・回数が増えた
尿の総量が増える「多尿」と、排尿の回数が増える「頻尿」は異なります。高血糖による浸透圧利尿では尿量が増え、トイレの回数も増えることがあります。
一方、少量ずつ何度も排尿する場合は、膀胱炎や前立腺の病気なども考えられます。尿崩症、薬剤、腎臓や心臓の病気なども尿の量や夜間の排尿に関係するため、回数だけで糖尿病と判断しないでください。
尿のにおい・泡立ちが変わった
尿のにおいや泡立ちは、食事、脱水、排尿の勢い、便器の洗剤などでも変わります。においから尿糖、泡立ちから尿蛋白や糖尿病性腎症を判断することはできません。
変化が続く場合は尿検査などで確認します。糖尿病性腎症の早期には見た目の変化や自覚症状がないこともあるため、糖尿病と診断された方は、医師の指示に沿って尿アルブミンや腎機能などの検査を受けることが大切です。
理由なく体重が減った
インスリンの作用が大きく不足すると、糖を十分に利用できず、脂肪や筋肉の分解、尿への糖の排泄などにより体重が減ることがあります。これはすべての糖尿病患者に現れる初期症状ではありません。
特に、短期間の体重減少に強い喉の渇きや多尿が伴う場合は早急に受診してください。がん、甲状腺の病気など別の原因もあるため、心当たりのない体重減少が続く場合も相談が必要です。
疲れやすい・だるさが続く
高血糖、脱水、睡眠の乱れなどが疲れやだるさに関係することがあります。ただし、貧血、甲状腺の病気、睡眠時無呼吸症候群などでも起こります。症状が続く場合は、血糖だけに原因を限定せず評価します。
皮膚のかゆみ・乾燥が続く
糖尿病では、高血糖に伴う脱水、神経や血流の問題、皮膚の感染症などがかゆみや乾燥に関係する場合があります。かゆみは乾燥肌や皮膚炎などでも起こり、糖尿病に特有の症状ではありません。改善しにくい場合や、ほかの症状もある場合は相談してください。
傷が治りにくい
高血糖や血流・神経の障害があると、傷が治りにくくなったり、感染が進んだりすることがあります。特に糖尿病のある方は、痛みが弱くても足の傷に注意が必要です。
足の傷に赤み・腫れ・熱感・膿がある、皮膚が黒くなるなどの変化がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。発熱や強い全身症状を伴う場合は救急対応が必要なことがあります。傷が治るかどうかを長く自己判断で見守らないでください。
感染症を繰り返す
高血糖は感染への抵抗力に影響し、皮膚の感染症、尿路感染症、カンジダ症などに関係する場合があります。ただし、感染症を繰り返すことだけで糖尿病とは判断できません。繰り返す症状や治りにくい症状がある場合は、原因を確認してください。
視界がかすむ
血糖値の変動で眼の水晶体の状態が変わり、一時的に見え方が変化することがあります。一方、糖尿病網膜症や白内障など、眼の病気が原因の場合もあります。糖尿病網膜症は進んでも自覚症状が乏しいことがあります。
見え方の変化がある場合は眼科へ相談してください。急に見えなくなった、視野が欠けた、強い眼の痛みがある場合は早急な受診が必要です。手足の麻痺や言葉が出にくい症状を伴う場合は、すぐに119番通報してください。
食後の強い眠気が続く
食後の眠気は睡眠不足、食事の量、睡眠時無呼吸症候群などでも起こり、糖尿病に特有の症状ではありません。眠気だけで「血糖値が急上昇・急低下した」「糖尿病予備軍だ」と判断することはできません。
生活に支障が出るほどの眠気が続く場合や、健診で血糖値・HbA1cの異常を指摘されている場合は、睡眠や全身状態も含めて相談してください。
女性が注意したい症状と妊娠糖尿病の経験
喉の渇き、多尿、体重減少などは男女に共通する症状です。女性だけに現れる初期症状があるわけではありませんが、次のような状況では血糖の確認も検討されます。
腟カンジダ症・膀胱炎を繰り返す
高血糖は感染の起こりやすさに関係し、腟カンジダ症や尿路感染症を繰り返す背景になる場合があります。ただし、別の原因も多いため、まず症状に応じて婦人科・泌尿器科などで相談し、必要に応じて血糖も確認します。
更年期と思っていた体調の変化
だるさや皮膚の乾燥などは、更年期にみられる不調やほかの病気とも重なります。体重減少、強い喉の渇き、多尿などがある場合は、年代だけで原因を決めつけず、健診結果と合わせて確認してください。
妊娠糖尿病の経験がある方
妊娠糖尿病を経験した方は、出産後に血糖が正常化しても、将来の2型糖尿病のリスクが高くなることが知られています。産後の検査や、その後の定期的な経過観察について、産科の主治医や内科と相談してください。
高校生・20代など若い世代でも糖尿病は起こります
1型糖尿病は年齢を問いません
1型糖尿病は子どもや若い方にも発症し、中高年になってから発症する場合もあります。急速に症状が進むタイプと、ゆっくり進むタイプがあり、すべてが同じ経過をたどるわけではありません。
急に飲む水分や尿の量が増えた、短期間に体重が減った場合は、早急に受診してください。吐き気・嘔吐や強いだるさがある場合は救急対応が可能な医療機関へ、意識障害や異常な呼吸がある場合は119番通報を優先してください。
若い世代にも2型糖尿病があります
2型糖尿病も10代・20代で発症することがあります。体質、体重、食事・運動などの要因が関わり、見た目や年齢だけで判断することはできません。症状がなくても、家族歴や健診結果などに応じて検査の必要性を相談できます。
当院の一般内科・糖尿病内科は高校生以上が対象です。中学生以下のお子さんについては小児科へ相談してください。重い症状がある場合は、年齢にかかわらず救急受診・救急要請を優先してください。
受診の目安と検査の流れ
何科を受診すればよいか
糖尿病が気になる場合や、健診で血糖値・HbA1cの異常を指摘された場合は、一般内科または糖尿病内科へ相談してください。眼や足などの症状によっては、眼科や専門医療機関での評価も必要です。
どんな検査をするのか
症状、これまでの健診結果、体重の変化、持病、薬などを確認し、血糖値・HbA1cの血液検査や、必要に応じた尿検査を行います。状況に応じて腎機能、脂質、尿アルブミン、ケトン体などを確認し、追加検査や紹介の必要性を判断します。
75gOGTTなどの検査が必要になることもありますが、すべての方に行うわけではありません。実施する検査や受診時の食事・服薬の扱いは、予約時や診察時にご確認ください。
受診時に伝えるとよいこと
糖尿病の初期症状・検査についてよくある質問
いいえ。特に2型糖尿病では、症状がほとんどないまま高血糖が続くことがあります。症状がなくても、健診結果の指摘や検査の案内を放置しないことが大切です。
項目数では判断できません。症状がなくても糖尿病のことがあり、複数当てはまっても別の病気が原因の場合があります。強い症状や急な変化がある場合は、項目数にかかわらず相談してください。
糖尿病型の基準の一つですが、HbA1cだけでは診断できません。血糖値や症状、過去の結果を合わせて医師が判断します。HbA1cが6.5%以上と指摘された場合は、症状がなくても医療機関へ相談してください。
どの検査結果から説明されたのかを確認し、必要な経過観察を受けてください。食事・運動などの改善で、2型糖尿病への進行リスクを下げられる可能性があります。具体的な対応は体格や持病、生活状況に応じて相談します。
2型糖尿病には体質が関係し、家族歴はリスクを考える要素の一つです。ただし、必ず発症するわけではありません。生活習慣や健診結果も合わせて、検査や予防について相談してください。
健診結果に記載された受診・再検査の案内に従ってください。受診時期が分からない場合は、数値を伝えて相談できます。強い喉の渇き、多尿、急な体重減少などがある場合は、再検査予定日を待たず相談してください。
甘いものを控えるだけですべての糖尿病を防げるわけではありません。2型糖尿病では食事全体、運動、体重、体質などが関わります。1型糖尿病は生活習慣だけを原因とする病気ではありません。
まとめ
糖尿病は初期に症状がないことがあり、セルフチェックだけでは判断できません。強い喉の渇き、多尿、理由のない体重減少がある場合は早めに相談し、健診で血糖値・HbA1cの異常を指摘された場合は症状がなくても確認してください。
糖尿病型の数値、健診の保健指導判定値、境界型の判定は目的が異なります。一つの数字だけで自己診断せず、検査結果と経過を合わせて医師に相談してください。
意識がもうろうとして反応しない、強い息苦しさや異常に速く深い呼吸がある場合は、すぐに119番通報してください。吐き気・嘔吐・腹痛や強いだるさを伴う場合も、予約日を待たず、救急対応が可能な医療機関へ相談・受診してください。
志木新成メディカルクリニックの一般内科・糖尿病内科は高校生以上が対象です。血液検査や尿検査、必要に応じて追加検査を行い、患者さん一人ひとりの生活背景に合わせた治療とサポートを行っています。
志木駅から徒歩4分、駐車場13台完備。朝霞市・新座市・志木市・和光市など周辺から通院しやすいクリニックです。その他の症状や健診結果についての相談は、WEB予約にも対応しています。
詳しくは糖尿病内科のご案内、一般内科のご案内をご確認ください。診療科によって診療日・受付時間が異なるため、ご予約前に担当医表もご確認ください。
参考資料
志木新成メディカルクリニックは、
朝霞市にあり、東武東上線「志木駅」から徒歩4分、駐車場も完備。
朝霞市・新座市・志木市などの近隣からだけでなく、電車でも車でも通いやすいクリニックです。

